クラシカルなデザイン、描写、価格のバランスが絶妙だったFUJIFILM X-T20
富士フイルムのコンデジ「X20」をけっこう使い込んできて、そろそろもっと深みのある色が欲しくてレンズ交換式カメラがいいなと思い始めた頃、Xシリーズ機のステップアップを検討しました。
中級機で金属感があって、なんとか手が届く価格で。
カタログやネット情報で作例や自分に必要な機能を調べたり、カメラ屋さん店頭で実機やモックを見ながら、自分が使うイメージをして決めたのが「X-T20」でした。
僕が中古で買った時は、ズームレンズのセットで７〜８万円くらいだったと思います。
しかし、昨今の富士フイルム製品の人気というか品薄の影響もあるのか、2017年発売のX-T20の中古でもボディだけでレンズキットの価格を超えてしまうんですね。
僕のように潤沢な資金がない人にとっては受難の時代といえましょう。
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X-T20のデザインの魅力の一つにクラシカルなスタイルがありますが、特にボディの縦横比のバランスが絶妙です。
基本的にはよこ長ですがわりとたて幅が高く、手に持った時の具合も良くかわいい感じがあります。
僕は軍艦部にペンタ部がある一眼レフのデザインより、フラットなラインのカメラが好きなのですが、そんな僕でもこのX-T20は心に引っかかる何かを感じていました。
ずーっと使ってきて「不思議なバランスのデザインだなあ」と思って、デザインのコンセプトを調べていましたら、フィルム時代の一眼レフにありました。
「FUJICA ST-801」。X-proシリーズにしてもそうですが、富士フイルムは過去の自社カメラのデザインを大切にしていたんですね。
そのことにもっと早く気づけていれば、X-T20のデザインをもっと愛せたかもしれないのにと悔やまれます。
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シーンや気分で使い分けるフィルムシミュレーションが楽しい
さて、X20を元手にして手に入れたX-T20ですが、富士フイルムのXシリーズはスタンダードをはじめ全てフィルムシミュレーションで撮影することになります。
たくさんのフィルムモードがありますので、いろいろと使ってみたくなって試行錯誤するのが楽しいですね。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
X-T20は新しく「クラシッククローム」が加わりました。
クラシッククロームは個性がとても強いので、実は結構使いどころが難しいと思っているのですが、これでしか味わえないちょっと懐かしいような雰囲気があります。
プロの方などはポートレートにも使うことがあるようで、その素晴らしい写真を見たときには奥深さにうなりました。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
あざやかだけど、ハデ過ぎない優しさがある「ASTIA」。
はじめはあまり使うことが少なかったですが、人を撮ると肌の写りが素晴らしく、だんだんとその魅力がわかってくると使用頻度も爆上がりです。
公園で見かけた野良猫。
まだ幼い猫だからか、まだ「さくら猫（耳カット）」じゃないですね。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
しっかりあざやか系の「Velvia」。
自然を撮るときには力強く生命力あふれる描写をしてくれますね。
散歩中に人恋しそうな犬と目が合ってしまいましたが、緑が明るく全体的にちょっとポジティブな感じになりました。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
これは何のフィルムシミュレーションだったか・・覚えてない・・。
でも、そのときの状況に一番合ったモードをさくさく楽しめるのもFUJI機のいいところ。
光やレンズの効果も相まって、くっきりすっきりした気持ちの良い写真が撮れました。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
スタンダードの「PROVIA」。
いろいろなフイルムシミュレーションを使った結果、最後にはここにたどり着く感じのPROVIA。
ありのままの姿をただそのまま写すのではなく、「いいな」と思った気持ちを写してくれる、そんな印象があります。
夏の渓谷、親子の思い出を静かに見守るような雰囲気を写してくれたかなと。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
これも「クラシッククローム」。
暑さも和らぐ夏の神社のひと風景。
さわさわとした風が風鈴をゆらしているさまを情緒たっぷりにとらえてくれます。
FUJIFILM X-T20 ＋ XF35mm F1.4 R
海沿いの花屋さん。
丁寧に手入れをしている姿をお見かけしたことがあります。
いろいろな雰囲気を醸し出すフィルムシミュレーションですが、できるだけその時間の雰囲気を壊さないように撮るくらいが僕にとってはちょうどいいですね。
X-T20との出会いで、FUJIFILMのカメラを手放せなくなってしまった
ある時、X-T20の調子が悪くなったことがありました。
今までいくつかのカメラを使ってきましたが、これまでは不具合になるまで使ったことがなかったのです。
新たに欲しい機種は新品では手に入らず、中古品も価格高騰でおいそれとは手が出せません。
X-T20購入当時は中古価格も程よかったので、その修理費用に何万円も出すのか・・と結構考えましたが、それでもFUJI機は持っておきたいと思い切って修理に出しました。
ギリギリ修理対応機種で、メーカーの対応も丁寧。
帰ってきたカメラは気持ち良いほどきびきび動きます。
富士フイルムの単焦点レンズの良さを知ったのもこのX-T20。
長くフィルムを作り続けてきたメーカーならではの独特の写りは、僕に新たな写真の世界を見せてくれました。
またいつか違うカメラを買い替えることになっても、一台は富士フィルムのカメラを使い続けていきたい。
X-T20は僕にそう思わせてくれた、思い出深いカメラなのでした。
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