ライカコピーの海からゾルキーという大陸へ漂着する
バルナックライカ、ではありません。
世界中でたくさん作られたライカコピーの一つ「zorki 」
「ゾルキー」と読む、旧ソ連製(ロシアカメラ)のフィルムカメラです。
いやあ、なんとかっこいいのでしょうか。
「そりゃそうでしょ、ライカのコピーなんだから」という声が聞こえてきそうですが。
オスカー・バルナックさんが設計した初期のライカ、バルナックライカ。
当時の僕にとって、オリジナルのLeicaはとても高くて手が出ませんでした。
それでどう流れ着いたのか、ロシアカメラ専門店にたどり着いて旧ソ連製のZorkiにお越しいただくことになりました。
僕が初めてZorkiを手にしたのは2004年あたり。
20年ほど前に購入したのですが、とても丁寧なお店でよく整備されていたこともあり、とにかく壊れません。
オリジナルはライカ2型(ライカD2)の完全コピーとのことですが、実際のサイズはどこまで合わせてるんでしょうかね。
現代からすると小型軽量と言われることもあるようですが、500g程度の重量がありますので、金属の塊感がすごいです。
軍艦部。シンプルにロシア語でゾルキーと刻印されています。自信たっぷりなフォントがなんともいい感じです。
距離計窓。二重像を重ねて距離を合わせるレンジファインダー方式。
色付きなのは好みが分かれるかもしれませんが、実際とても見やすいです。
シャッター音は、なんというか元気です。あえていうなら「バチン」と聞こえます。
初めて聞いた時にはそのいかにもな機械音にしびれてしまいました。
シャッターボタンの右隣にあるのがフィルム巻き上げノブ。
さらにノブの下に数字が刻まれているのがフィルムカウンターですね。
オリジナルのライカを調べることをしなかったため、恥ずかしながら目盛りの合わせ方を最近まで知りませんでした。どうりで撮影枚数が合わないと思いました。
ベースプレートを外します。Leica購入の説明サイトなどで「フィルムを巻くスプールがない個体に注意」という説明文を見かけますが、そんな個体が売られているなんて怖すぎ。
うっかり買っちゃったらどうするんでしょうね。ほんとに困ると思うんですけど。
レンズはinduster-50 50mm f3.5が付いています。とてもきれいに写ります。
一般的には「induster-22 50mm f3.5」と言われているオールドレンズですが、現物を見ると「induster-50」と刻印されています。
ここらへんの詳細が調べても分かりませんでした。同じ名前で全然違うロシアンレンズが存在するんですけどね。
レンズは沈胴式で引き出す時に少しカタカタします。回せばロックがかかって一応固定されます。
当時はトイカメラを中心にクセのある描写のカメラを楽しんでいたのですが、このinduster-50 50mm f3.5は意外なほど素直に写り、ちょっとガッカリしたくらいです。
今なら、この素直な写りの気持ちよさがわかる気がします。
さまざまな名機と呼ばれるカメラには、たくさんの人を魅了するデザインがあると思いますが、僕にとってはこのバルナックのデザインが突き刺さったのです(Zorkiですけど)。
カメラを始めて20年ほど経ち、結局ずっと手元に残ったのはこのZorkiでした。
「今まで全く壊れなかった」という理由もあるのですが、これが今の僕のカメラ選びにまでダイレクトに影響することになる、偉大なデザインなのでした。
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