使っていて楽しい王道デザインのフィルム一眼レフカメラ、Canon EOS7
クラシカルなデザインのカメラが好きな僕ですが、王道デザインのカメラを使っていた頃もありまして。
それが、このCanon EOS7。
僕が本格的に一眼レフを使い始めたフィルムカメラです。
まだ写真の経験が浅かった僕にとって、このEOS7はとても上質に感じて大好きでした。
手に取った感じや重さ、AFの軽快さ、シャッターを押した時の感覚など使っていてとても楽しい思い出が詰まっています。
シャッター音は残念ながら覚えていないのですが、当時カメラにあまり関心がない知人が使った時にボツリと「音が気持ちいい」と言っていたので、カメラに詳しくない人でも心地よく感じるシャッター音なのだと思います。
視線入力AFができるのも驚きで、カメラの機構に詳しくなかった僕は、どうやったら使いこなせるんだろうと試行錯誤したことを思い出します。
標準レンズ以外のレンズを自分なりに考えて、限られた予算で少しずつ試してみたのもこのカメラから。
50mmの単焦点レンズ、28-135mmのズームレンズ、あるアニメ映画の影響で魚眼レンズなども使ったりして。
いくつかのレンズを使ってみて「50mmって難しいんだなあ」と苦戦したり、フィルムもポジフィルムを使ったりしてルーペでのぞいて無邪気に楽しんだり。
このEOS7は、僕が本格的に写真が好きになるきっかけを与えてくれたカメラでした。
EOS7は内向きな僕を外の世界に連れて行ってくれた
そんなEOS7ですが、僕にとってこのカメラが特別なのは、ほかにも理由があります。
それは、僕にとって写真を撮ることは「世界とつながることができる」ということが明確になったから。
それまでの僕はわりと内向的な人間で、積極的にあちこち出かけたり、いろんな人と交流することはあまりありませんでした。
そんな僕ですが、このEOS7で撮ることが楽しくなると、少しずつ日常が変わっていきました。
友人の車で初めて岳切渓谷に撮影に行った日。
日差しの強い日の夏、あの渓谷の水の冷たさにすっかり癒されました。
冬の夜、近くの橋の上で初めての長時間露光に挑戦。
露出も何もかもわからない状態で勘で時間を設定して、待つまでの間に冷たい風を感じながら友人と語り合ったり。
別府の夜の街を撮影に行ったこともありました。
ネオンを撮っていたつもりでしたが、現像してみると女性が信号を待っているシルエットが写っていて、自然とたたずんでくれていたことに嬉しくなったり。
トイショップでのバイト時代、一緒に働いていた仲間と湯布院美術館に遊びに行ったこともありました。(この素敵な美術館は今はもう無くなってしまいました)
バイトの人と遊びに行くなんて、それまでの自分では考えられないくらい思い切ったことでした。
数年後、インテリアショップで働いていた頃、お店の仲の良かった同僚と休みの日に湯布院に出かけたこともありました。
雰囲気のいい喫茶店で「みんないろんな素敵な店を知ってるんだなあ」と感心するやら。
当時、古い友人以外では職場しかコミュニティがなく、人付き合いがあんまり上手くありませんで。
そんな僕にとって、妙に息が合うこの同僚とは何度かインテリアショップめぐりに出かけるなど、今考えても「よくやったよなあ」と思うばかりです。
「カメラがある生活は外の世界といろんな人とつながることができる」
こうした体験は僕の人生に少なからず影響を与えています。
カメラを楽しむこと
写真を楽しむこと
部屋を出ていろんな場所にでかけること
誰かと出会うこと
こうしたさまざまなことがミックスして、僕の世界は少しずつ広がっていきました。
そんな幸運な時期に一緒にそばにいてくれたのが、このCanon EOS7。
僕のささやかなカメラ史の中で、いろいろな経験をさせてくれた思い出深いカメラなのでした。
フジフイルム FUJIFILM 400 36枚撮り 単品/カメラのキタムラ
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